AIエージェントの活用が急速に広まり、文書処理や業務の自動化、社内ナレッジの検索・整理など、企業の日常業務に深く組み込まれつつあります。これに伴い、企業の既存システムとの連携が進むだけでなく、AIが扱う社内データの量も大幅に増加しています。AIエージェントが様々なデバイス上に展開されることが益々一般化する中、AIがエンドポイント環境にもたらす脅威リスクは、もはや無視できないものとなっています。
調査によると、すでに8割以上の企業が大規模言語モデル(LLM)やAIエージェントを導入または利用している一方で、その半数以上が適切な監視や防御の対象になっていない状況にあります。これは、従来のセキュリティ対策がAI導入のスピードに追いついていないことを示しています。企業はAIによる利便性を享受する一方で、それに伴う大きなリスクにも直面しています。
AIはタスク実行時にローカルファイル、システムリソース、外部サービスへ同時アクセスする可能性があり、これらの挙動はもはや単一のシステムや環境にとどまらず、より広範囲に及びます。もし企業が十分な権限管理や、実行方法、または利用制限を明確に定義していない場合、AIが自主的に機密情報を読み取ったり、検証されていない状態でシステムコマンドを実行したりする可能性があり、エンドポイント防御における重大な盲点となります。
こうしたリスクを早期に検知・対応するためには、エンドポイント上におけるAIエージェントの利用状況を可視化し、その情報を既存の防御態勢に組み込みことが不可欠です。具体的には、以下の観点での対策が重要となります。
- 機密情報の識別:キー、証明書、機密データの保存場所を検知し、漏えいリスクを特定する
- 隠れたコマンドの検出:コマンド解析を利用し、隠れた指示や潜在的な悪意ある脅威を迅速に発見する
- 悪意あるスキル定義の検知:AIエージェントのスキルに隠れたバックドアや悪意あるルールが含まれていないかを識別する
- 権限とアクセス範囲の確保:AIエージェントのシステムおよびファイルへのアクセス能力を評価・確保し、最小権限原則(PoLP)に従う
企業は、AIを活用して業務効率化させる一方で、安全性まで犠牲にする必要はありません。AIをエンドポイント防御の枠組みに組み込むことで、環境内のAIの挙動および関連リスクを効率駅に把握し、既存の防御メカニズムを継続的に進化させることができます。
*Source: Gravitee, 2026 State of AI Agent Security Report